城北線がローカル線のままである理由と、

完全開業により発生する効果について



城北線


城北線は、愛知県の勝川駅から枇杷島駅までを結ぶ、
全長11.2qの非電化ローカル線です。
運営主体はJRでも第三セクターでもなく、JR東海の子会社という
非常に稀な特徴を持っています。

また、枇杷島駅が名古屋駅の一つ隣の駅であることから分かるように
名古屋という大都市のど真ん中を走っており、沿線には住宅が密集しています。

にも関わらず、全線が非電化であり、単行のディーゼル車が
朝夕は30分に1本、日中夜間は1時間に1本が走っているに過ぎないのです。
すぐ隣にあるはずの名古屋駅への乗り入れも行われておらず
城北線勝川駅はJR勝川駅から離れた位置に仮設されたままです。


非常に謎の多い城北線。この謎を解くために調査を行い、明確な原因(理由)を発見しました。
また、城北線が電化され、名古屋駅や勝川駅への乗り入れを果たした「完全開業」が
実現した場合の試算についても行いました。





結果の概要について


城北線が電化、高頻度運転、名古屋駅・勝川駅への乗り入れ、あおなみ線・JR・愛環線との相互直通、
貨物列車の乗り入れ、駅設備・周辺設備の充実等が行われず、JRでも第三セクターでもなく
JRの子会社により運営されているのは、全て「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法」
略して「鉄道・運輸機構法」の条項による束縛が起因となっていました。


同法は旧鉄道公団が建設した路線を借り入れて鉄道線を営業する際の、貸付料を規定していますが
このうち第七条の三において、鉄道線――今回は城北線が該当――に係る管理費も貸付料に含まれる
とされているのです。これにより、JR東海が城北線に投資を行うとそれだけ貸付料、即ち借金が増えてしまい
例え収入が増えても元が取れなくなってしまうため、城北線は最低限の設備で開業させられ、
鉄道・運輸機構法で規定された平成44年(2032年)まで放置プレイされるだろうと推理されるのです。


上記の推理については、JR東海のHPで公開されている「有価証券報告書」でそれらしい事を確認できます。

なお、鉄道・運輸機構法によりこのような取り決めがなされた経緯については、東海道新幹線を継承した
収益の大きいJR東海に、城北線(旧瀬戸線)の莫大な建設費を支払わせるという政治的な目的があったようです。


そして、城北線が平成44年になるか、法改正で借金返済の束縛から解放された暁には
電化や勝川駅への接続が実現し、本来持っていた力を発揮する事になると考えられます。


具体的には、旅客ではJRまたはあおなみ線と同等規格の通勤電車が導入され、
名古屋駅への乗り入れもなされる
でしょう。城北線枇杷島駅から直行できる名古屋駅ホームが
あおなみ線ホームであることから、同線との相互直通運転がなされる可能性が高いと考えられます。

貨物では、現在、稲沢駅で折り返しを強いられている貨物列車が城北線利用により
折り返し運転から解放され、所要時間の短縮、車両運用の効率化、コスト削減が図れる
と考えられます。


※以下、本文のメニューになります。詳細を見たい方はどうぞご覧になってください。※




 第一章 城北線の原形〜国鉄瀬戸線の歴史〜


 第二章 城北線が抱える多くの「謎」


 第三章 全ての謎を解くただ一つの鍵


 第四章 城北線の電化完全開業後の姿


 第五章 城北線の完全開業による効果〜旅客編〜


 第六章 城北線の完全開業による効果〜貨物編〜



参考文献、サイト
 ・ ワイドビュー21(個人HP)
 ・ 個人HP(失念。再発見できずorz)
 ・ 鉄道ピクトリアル 99年8月号
 ・ 鉄道ピクトリアル 08年9月号
 ・ JR東海HP
 ・ 東海交通事業HP
 ・ 春日井市HP
 ・ 中部地方整備局HP
 ・ youtube
 ・ wikipedia
 ・ 2ch城北線関連スレ





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